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コラム

運行管理機器活用でつくる、男女だれもが働きやすい運送現場

先日の「運送業界での女性活躍」を取り上げた新聞記事では、女性の数は増えてきた一方で、評価や働き方、職場環境が追いついていない現実が語られていました。

「女性だから楽なコースでいいだろうと言われる」

「ポスターには出るけれど待遇は変わらない」

「管理職になっても相談役の役割が中心で、成果として評価されにくい」

経営側からも「女性活躍の数値目標だけ求められても、現場の実感が伴わない」という戸惑いが語られており、女性の採用や登用の“数”は増えてきても、評価の物差しや働き方、職場環境といった“中身”が追いついていない、という現状が浮き彫りになっています。

ここでは、スローガンではなく、現場にすでにある機器の活用に目を向けます。デジタルタコグラフ、ドライブレコーダー、自動点呼システムは、法令対応や事故記録のためだけでなく、使い方次第で性別に関係なく働きやすい職場づくりを支える道具になります。


1.デジタルタコグラフで、性別に左右されない評価を支える

“運転の結果”を公平な物差しにする

デジタルタコグラフが記録するのは、急加減速の回数、アイドリング時間、走行時間、速度の変化、定時性など、運転の結果そのものです。ここに「男性」「女性」といった属性は入りません。

このデータを営業所別・ドライバー別に整理すれば、「誰がどれだけ安全に、安定して走っているか」が見えるようになります。そのレポートを評価のベースに置くことで、感覚ではなく実績に沿った、公平な判断がしやすくなります。

ポイント

評価の材料を「性別」ではなく「運転の実績」に置き換えると、説明もしやすく、納得感も高まります。


2.自動点呼の時刻記録と運行データを組み合わせ、勤務の偏りを見つける

点呼の時刻は自動点呼、運行の中身はデジタコが担う

自動点呼システムには、点呼の実施時刻や対象者が記録されます。一方、どの車両でどのような運行をしたかといった運行内容はデジタルタコグラフに残ります。

点呼の時刻情報と、デジタコの運行実績、そしてシフト表などを突き合わせることで、深夜帯の運行が特定のドライバーに集中していないか、休息間隔が短くなりがちな曜日・路線がないか、負担が偏っていないかといった傾向を全体として把握できます。

補足

点呼の時刻は「勤務の流れを見るヒント」、運行データは「負担や偏りの実態を見る根拠」として使うと整理しやすくなります。


3.ドライブレコーダー映像を、接遇と安全の学びに変える

“責める記録”ではなく“学ぶ教材”へ

タクシーやバスでは「女性なら丁寧な接客を」と期待される場面もありますが、接客に意識が向きすぎて安全確認が薄くなるのは避けたいところです。

ドライブレコーダーの映像を使って、接客中に前方注意が甘くなった場面やヒヤリとした瞬間を振り返り、全員で「どうすれば安全とサービスを両立できるか」を話し合う。そうすることで、男女問わず“技術としての接遇と安全”を高めやすくなります。

現場での使い方

  • ヒヤリ場面を「原因探し」ではなく「改善の材料」として共有する
  • 男女分けせず、全員のスキルとして育てる

4.運行データで、多様な働き方のパターンを設計する

短時間・昼間中心などのモデルを数字で描く

運行実績を集計すると、昼間だけの短距離便、朝夕ピークだけ必要な仕事、週数日だけ発生する定期便など、さまざまな運行パターンが見えてきます。

これらを組み合わせて試算することで、昼間中心の短時間シフトやピーク特化のパートタイム運行など、多様な働き方のモデルを具体的な数字の裏付けをもって検討できます。デジタコの帳票は、保管するだけでなく“働き方の設計図”として活用する価値があります。


5.チェックリストとデータで、職場環境の整えどころを見つける

設備の不足を“気合い”ではなく“見える化”で埋める

トイレや更衣スペースなどの設備は、働きやすさに直結します。車庫・営業所ごとに、男女別トイレ、更衣スペース、ロッカー、休憩室などをチェックリストで整理し、デジタコから把握できる人数や運行時間帯と合わせて見ることで、どこを優先して整備すると効果が出やすいかが見えやすくなります。


6.集まった数字を、良い取り組みの共有に生かす

ロールモデルは“写真”ではなく“データと工夫”から

事故件数、安全運転評価、ヒヤリハット傾向、アイドリングの状況、離職の変化などを組み合わせると、「うまく回っている現場の特徴」を掴みやすくなります。

たとえば、女性ドライバー比率が高く、事故やヒヤリハットが少ない営業所があれば、どんなデータ共有や振り返りをしているのかを整理し、成果の数字とセットで横展開する。ロールモデルは写真ではなく、データと工夫の積み重ねから作れます。


まとめ:機器とデータを、現場の“公平さ”と“続けやすさ”のために

新聞記事が示していたのは、女性を増やすという目標と、性別に関係なく中身で評価されたいという現場の思いの間にある距離でした。

その距離を縮めるためには、立派な標語よりも、現場のデータや映像をどう使うかが大切です。デジタコ、ドラレコ、自動点呼システムは、人と車の動きを映す鏡であり、事故防止や法令対応に加えて、だれもが働き続けやすい職場づくりにも使っていけます。

そして、ここで述べた機器活用の考え方や10項目の取り組みを、現場で実際に動かし定着させていくための導入設計、設定、運用ルールづくり、データの見える化、教育・運用支援については、中央矢崎サービスが各社の実情に合わせて伴走し、具体的にサポートできます。

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